「今の職場を辞めよう」と考える保育士さんの中には、「いつ、どのように退職の意思を伝えたらいいのか分からない」「円満に退社するにはどうしたらいいんだろう」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、保育士を辞める際に気をつけたい3つのポイントと注意点をご紹介します。
スムーズに退職するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
保育士の仕事を退職したいと思ったら考える3つのこと
保育士の仕事を退職したいと思ったら、3つのことを考えなければなりません。
それは、退職理由、辞めるタイミング、辞意を誰に・いつ伝えるかです。
ここからは、考えるべき3つのことについて一つずつ説明していきます。
1.退職理由の伝え方を考える
退職の際に考える1つ目のポイントは、退職理由の伝え方です。
まずは「なぜ辞めたいのか」を明確にしましょう。
理由がはっきりしていれば、伝える時に気持ちが揺らぐことなく説得力のある話ができるからです。
気持ちを整理するためには、退職したい理由を書き出したり、自分の気持ちと向き合う時間を作ったりするのがおすすめです。
きちんとした退職理由があれば、転職活動の際にも活かせます。
ネガティブな理由はポジティブに変換する
退職したい理由には結婚や出産といったポジティブな理由の他にも、給与の低さや人間関係の悪さなどネガティブな理由もあるでしょう。
もしネガティブな理由で退職する場合は、理由をストレートに伝えるのでなく、ポジティブな理由に言い換えましょう。
言い方の例を2つご紹介します。
<例文①人間関係や保育の方針に不満がある場合>
・これまでの経験や学びを活かし、新しい環境で自分の力を試したいから
・今の仕事にやりがいを感じているものの、将来のキャリアを考えてよりスキルアップしたいから
<例文②給与や待遇に不満がある場合>
・自分のスキルが評価に反映される職種に挑戦したいから
できる限りポジティブな理由での退職であることを理解してもらいましょう。
「家庭の事情」「遠方に引っ越す」など嘘の理由を伝えるのは得策ではありません。
2.辞めるタイミングを考える
退職の際に考える2つ目のポイントは、退職の時期です。
クラス担任を持っている保育士の場合は、年度の変わり目や行事のない時期を選びましょう。
特に生活発表会や運動会などイベントのある時期は、業務がいつも以上に忙しくなります。
体調不良といった急を要する理由以外での退職の場合は、そのような時期を避けるようにすると退職を受け入れてもらいやすくなります。
3.辞意を誰に・いつ伝えるか考える
退職の際に考える最後のポイントは、辞意を誰に・いつ伝えるかです。
スムーズに話を進めるためにも、話す順番や伝える時間帯などを考えましょう。
誰にどの順番で言うのか
まずは上司にあたる主任保育士やクラスのリーダーに伝えましょう。
そのときに、園長への伝え方も確認してみてください。
園によってルールが異なり、自分で伝える場合もあれば、上司から園長に伝える場合もあります。
上司に相談し、園のルールに則って話を進めましょう。
いつ話すか
一般企業の場合は退職の1カ月前までに伝えるのが一般的ですが、保育士の場合は3カ月〜半年前を目安に伝えるのがよいでしょう。
新しい保育士を採用したり、後任へ引き継ぎをしたりする時間が必要だからです。
また多くの園では、2月頃に次のクラス編成や担任が決まります。
決まった後に退職の意志を伝えると割り振りをやり直す手間が生じてしまうため、その前に伝えるようにしましょう。
上手に退職を伝えるための注意点
退職を上手に伝えるためには、注意点もいくつかあります。
自分の都合ばかりを重視してしまうと、園全体に迷惑をかけてしまう場合もあるからです。
ここからは、3つの注意点をご紹介します。
ポイントを押さえて、円満退職を目指しましょう。
就業規則を確認する
申し出る時期や必要な届出は、就業規則によって異なります。
退職を伝える前に、まずは就業規則も確認しましょう。
また多くの園では、8〜10月頃に次年度の就業に関してヒアリングが行われます。
退職を決めている、あるいは悩んでいる場合は、ヒアリングの際に伝えましょう。
退職を決めている場合は、退職を願い出るための「退職願」を提出します。
退職願が受理され、正式に退職が決まった後に「退職届」を渡します。
公立の保育園に勤めている場合や、何か役職に就いている場合は「辞職願(辞表)」を提出する場合もあります。
しっかり話せる時間を取ってもらう
話をする時期だけでなく、時間帯にも配慮が必要です。
登降園や活動中の時間帯はバタバタしてしまうため、午睡中や降園後のゆったりしている時間帯がおすすめです。
時間をとってもらうために、上司や園長の都合は事前に確認しておきましょう。
まずは「ご相談があるので、今からお話しのお時間いただいてもよろしいでしょうか?」と声をかけてください。
もし忙しい場合は「ご都合がよい時間を教えていただいてもよろしいでしょうか?」と尋ね、相手の都合のよい時間に合わせて改めて話に行くとよいでしょう。
丁寧に引継ぎをすることを伝える
退職後に仕事内容で相手を混乱させないようにするために、自分が行っていた業務は別の保育士にしっかり引き継ぎしましょう。
分かりにくい業務や覚えにくい業務は、簡単なマニュアルを作って渡すのも一つの手段です。
特定の保育士だけに引き継ぐと、引き継ぎを受けた相手が負担に感じてしまうかもしれません。
できるだけ多くの関係者が業務の内容を把握できるよう、園全体に引き継ぐような姿勢で取り組みましょう。
保護者へ伝える際は必ず上司に確認する
退職が決まると、子どもたちや保護者にも報告したくなると思いますが、勝手に伝えてはいけません。
上司や園長に確認し、了承を得てから話すようにしましょう。
直接伝えたり連絡帳に書いたりと、伝え方にもいろいろな方法があります。
園の方針に合わせて保護者にアナウンスしてください。
退職後の話はなるべく避ける
退職後の話は、保護者にも園にもなるべく話さないようにしましょう。
「今の仕事に集中して取り組んでいないのではないか」と思われてしまう場合があるからです。
新しい仕事に向けてワクワクする気持ちもあるかもしれませんが、業務に集中して取り組む姿を最後まで見せるのも大切なポイントです。
ポイントを押さえつつ円満退社を目指そう
保育士の仕事を退職したいと思ったら、まずは退職理由、辞めるタイミング、辞意を誰に・いつ伝えるかの3つを考えましょう。
給与や人間関係などネガティブな理由で退職する場合は、ポジティブな理由に言い換えて伝えることが大切です。
また落ち着いて話を聞いてもらうためにも、行事がなく、余裕のある時期や時間帯を選んで退職の意思を伝えましょう。
就業規則や園の方針に沿って退職を伝えることで、円満退社も可能です。
晴れやかに次のステップに進めるよう、ポイントを押さえて退職の意思を伝えましょう。