保育士の仕事は、資格が必要な専門職です。
そのため、保育士になるためには国家資格の取得が必要となります。
今回は、保育士になるための方法として欠かせない保育士資格の取得方法や試験対策などについて解説します。
保育士になるには
保育士とは、児童福祉法第 18 条において「登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とす る者をいう。」と定められています。
保育士になるには国家資格である保育士資格の取得が必須です。
しかし、資格を取得すればすぐに保育士として働けるわけではなく、前述の児童福祉法で定められた「登録」を行わなければなりません。
この登録とは、保育士資格を取得した後に各都道府県知事に保育士登録の手続きを行うことで、この手続きを経て「保育士証」を交付してもらうことで、はじめて保育士として働けます。
e-gov 法令検索. 「児童福祉法 | e-Gov 法令検索」.
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000164, (参照:2022-2-17)
保育士資格を取る方法
保育士資格を取るためには、2 種類のルートがあります。
1 つは、専門学校や短大、大学などの保育士養成学校を卒業すること、もう 1 つは保育士試験に合格することです。
保育士養成学校とは厚生労働省が指定したもので、所定の保育士養成課程を履修することで、卒業と同時に保育士資格が得られます。
保育士養成学校に指定されていない学校を卒業している場合は、最終学歴によって保育士試験の受験資格が変わります。
一般の専門学校や短大、大学卒業の場合は、その時点で保育士試験の受験資格が得られます。
なお、大学中退または在学中でも 2 年以上在籍、かつ 62 単位以上取得していれば、その時点で保育士試験受験が可能です。
最終学歴が中学や高校の場合は、児童福祉施設での実務経験が求められます。
中学卒業では 5 年以上 7200 時間以上、高校卒業では 2 年以上 2880 時間以上の実務経験を積むことで、保育士試験を受験できます。
最終学歴に応じて保育士試験の受験資格が変わるので、上記の条件は社会人で保育士の資格取得を目指すケースでも同様です。
資格取得までのスケジュールと試験対策
保育士試験は、9 科目の筆記試験と 3 分野から 2 分野を選択する実技試験で構成されており、 毎年前期と後期で 2 回、各都道府県で実施されます。
筆記試験は 4 月と 10 月、実技試験は 7 月 と 12 月に行われます。
受験申請は前期を受験する場合は 1 月、後期は 7 月に済ませなければな りません。
保育士試験への出願は約 3 カ月前から始まるので、出願から最短 6 カ月で保育士の資格取得が可能です。
試験対策を行うなら、出願時期や受験時期からさかのぼり、最低でも受験の 6 カ月前から試験対策をスタートしましょう。
試験対策を行う期間を設定していくのがおすすめです。
筆記試験は科目数が多いので、試験対策ではまず興味がある科目や好きな科目から始めてみるのも 1 つの方法です。
最初の 1~2 週間で、まずは科目ごとの基本や内容をしっかりと理解して基礎力を身につけるところから始めましょう。
基礎が身についたら、参考書や過去問で試験対策を行い、次のステップでは模擬試験を受けてさらに試験対策を行います。
最後の 1~2 週間は、試験対策の総復習を繰り返します。
学習内容を段階ごとにスケジュールを立てておけば、学習内容の進捗状況がわかりやすくなるでしょう。
保育士試験の内容とは
保育士試験では筆記試験と実技試験が行われます。
最初に筆記試験を実施し、筆記試験で合格となった者のみ、実技試験へ進めます。
近年の保育士資格の合格率は 20%前後です。筆記試験では各科目で 6 割以上の正答率が求められるため、難易度の高い資格試験といえます。
筆記試験が不合格だったとしても、6 割以上の正答率があった科目は次回以降の試験で 3 年間有効となる制度があります。
つまり、過去に合格した科目があれば、合格以降 3 年間はその科目を除いた科目のみで再受験が可能です。
保育士になることのメリット
保育士のメリットとしてまず挙げられるのが、安定した職業ということです。
近年は保育士施設での人材不足が問題となっており、保育士の需要は高くなっています。
このような状況からも、保育士資格を持つ人材は働くチャンスが比較的多いのは大きなメリットでしょう。
そして保育士の資格があれば、託児所や学童保育、家庭支援センターなど、保育園以外の幅広い種類の施設でも働けるので、さらに活躍の場が広がります。
保育士の仕事はフルタイムの正社員のほか、パートやアルバイトなど短時間での勤務ができるので、ライフスタイルに合わせて働けるのも保育士のメリットです。
また、子育てや子どもについての知識を得られることから、自分自身の子育てにも保育士としての知識や経験を活かせるのは、プライベートにおける保育士のメリットといえます。
まとめ
保育士資格は合格率が低い難関資格ではありますが、一度取得して保育士登録を行えば、正社員はもちろん、ライフスタイルに合わせてパートやアルバイトでも保育士として働けます。
資格取得方法や受験へ向けてのスケジュールをしっかりと立てて、保育士資格取得を目指しまし ょう。
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